副業を始めると決めた人でも、今まで会社一本でやってこられた方にとっては副業を始めるにあたってわからないことがたくさんあるのではないでしょうか。
その中でも特に本業の会社の同僚や上司に副業のことを言うのか、黙っているのかは多くの人が悩むポイントだと思います。
- 副業に興味があるけど本業に言うべきかどうか悩んでいる方
- 副業を始めるのに、本業にどう伝えればいいかわからない方
そんな方に向けて、今回は「副業のことをを本業に伝えるべきか」にフォーカスしてお伝えできればと思います。参考になれば幸いです!
副業は本業の会社に話す必要はあるのか?
結論から言って、本業に副業のことを話さなければならないという決まりはありません。また会社員の方は法律上、副業を禁止にはされていません。(公務員の方は別)
もっとも企業は就業法則などにより独自のルールを作ることができ、そのルール上で副業禁止もしくは副業を許可制にしているところもあります。
しかし、実はこの企業による副業の制限は必ずしも許されるわけではないんです。というのも企業独自のルールよりも、前提として憲法第22条1項で「職業選択の自由」が保障されているからです。
つまり私たち労働者がどんな仕事を掛け持ちしようとそれは本人の自由だと言うことです。
副業に関する裁判例を見ると、副業を禁止もしくは制限することが許されるのは副業が原因でこれらの弊害が生じる場合だとみることができます。
[弊害の例]
- 労務提供上の支障がある場合
- 業務上の秘密が漏洩する場合
- 競業により自社の利益が害される場合
- 自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合
参考:https://www.adire.jp/lega-life-lab/no-side-business305/
また、平成30年1月には副業や兼業に関するガイドラインが改正されて、昔に比べると副業に対する世間の考え方は大きく変わりつつあります。
「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。」
引用:副業・兼業の促進に関するガイドライン|厚生労働省
「副業なんてやってないで本業に集中しろ」なんて昔ながらの考え方は徐々になくなっているのも事実なんです。
一方、自己責任が問われることも…
副業を始めるに当たって、周辺法令や準備、健康面での管理など自己責任で行わなければならない部分を多く存在します。
ここに関しては、本業とは無関係で、本業に相談したとしても彼らはは誰も助けてはくれないと考えた方がいいでしょう。
一部、調査が必要と思われる内容は以下の通りです。この他にも自分が不足していると思う情報は必ず得ておくようにしましょう。
- その副業はどんな内容の事をやるのか
- その副業はどの程度時間を拘束されるのか
- その副業に必要な資格はあるのか
- その副業の雇用形態は何か
- その副業で得た報酬の税金はどうするべきか
副業を始める際に誰に何を伝えるべきか
誰に伝えるべきか
こちらは会社の規模にもよりますが、基本的には上司に一番に相談すべきです。
上司は私たちを管理し面倒を見てくれている立場に値するので、ここをスキップしてはいけません。
例えば本業と副業を同時進行で行い、結果忙しすぎて過労で倒れたとします。
そのときに倒れた原因の一部が副業による過労と分かったら、上司に管理責任が問われる可能性もありますし、上司のあなたに対する信用もなくなる可能性があります。
今後信頼関係を築く意味でも、ここは最初に伝えた方がいいです。上司に話をしたら、今後の社内での手続きの進め方も相談しやすくなります。
何を伝えるべきか
誰に伝えるかわかっても、何を伝えればいいかは誰に伝えるかという問題と同じくらい重要です。
意識する点は、副業をする事が自分や本業にとってなぜ必要なのかを、論理的にそして熱意を持って説明することです。最低でも以下のことは伝えた方がいいでしょう。
伝えるべき内容
- やろうとしている副業の内容
- 本業に支障を出さないこと
- 副業をすることにより収入の分散化をしたい
- 副業をすることで本業でも活かせる経験がしたい
「本業の収入だけでは足らない」「本業だけでは得られないスキルを身につけたい」など副業を始めたいと思う理由は人それぞれです。
しかしそれを正直に伝えるのではなく「本業への貢献を常に意識している」ことをしっかり伝えるべきです。
内緒で副業を始める場合
置かれている立場は人それぞれです。中には「やっぱり本業には内緒で副業を始めよう」と考えている方も少なくないと思います。
そういった場合は、内緒で副業をして確定申告を確実に行うことで、バレないようにするしかありません。
ネットで副業が本業にバレた経験談を探してみてもその一番の原因は住民税の違いです。
確定申告で、納税を普通徴収にする事でリスクをある程度減らす事ができますが、確実ではありません。
ただ企業が堅く副業を禁止していなかったり、なにか制裁がないのであれば、個人的に副業は本業に伝えた方がメリットが大きいと思っています。
副業開始を伝えるメリット
- 誰かに言う事で、自分自身の退路を断てる
- 本業のお墨付きを得られるので、副業に充てられる労力が増える
- 問題が起きたときに、心置きなく相談できる
メリットはあげれば複数ありますが、精神的な部分が多いですね。
まとめ
今回は「副業は本業に相談すべきか」というところに重点をおいてお話ししてきました。
本業に相談するにせよ、内緒にするにせよ、本業の副業に関するスタンスがどうなっているのかという情報も普段から取っておく必要があると思います。
そう考えると結局のところ、本業においてもある程度コミュニケーションを周りと取りながら、いい関係を築けているのかが、副業成功への近道といえるかもしれません。